中華そば 花京 – 大阪・京橋で愛される豚骨ラーメン[移転・閉店]
JR京橋駅を降りて歩くこと3分、飲食店が立ち並ぶ一角に「中華そば 花京」はある。店内はカウンター席のみで、屋台のように隣の客と肩を寄せ合って食べる。豚骨スープがベースの「こってり背脂中華そば」が看板メニューだ。(※花京・京橋店は2017年3月30日をもって閉店。JR大正駅前へ移転されました)
京橋、じつは僕にとってこの街は高校時代を過ごしたホームタウンのような場所だ。ついでに言うと、この原稿の翻訳者は高校のクラスメート。当時、彼とはよくこの街を大人のつもりで闊歩したものだ。だよね?^_^;
それはさておき、大阪有数の歓楽街である京橋には、昔から多くのラーメン屋がある。でも、高校生だった僕は、当時どこへ行ってもあまり美味しいと思える店には出会えなかった。だから「京橋はラーメン不毛地帯」、17歳の僕はそう結論づけた。以来、たとえ美味しいラーメン店が開店したという噂を耳にしても行こうという気にならなかった。
ところが、だ。最近、高校の同級生の結婚式があり、同席した友人や恩師と京橋のラーメンについて話をした。そして「あの店は本当に美味しいよ」と恩師から勧められたのが、「中華そば 花京」だった。そう、ちょうどこの店こそ、十数年来、僕が背を向けてきた“噂の新店”なのだ。恩師がそう言うならば行ってみよう。後日、店へ向かった。
注文したのは、看板メニューの「こってり背脂中華そば」。ここでは注文時に中細麺か、九州・博多ラーメン風の細麺かを好みで選ぶ。しかも替え玉もできる。ならば訊くまでもない。細麺を「カタ」でお願いしてみた。
待つこと5分。目の前に現れたラーメンは、白濁した豚骨スープに細かい背脂が浮いている。そのスープは深いコクがあり、臭みもほとんどなく、とてもまろやか。背脂が適度なこってり感を出している。
チャーシューは箸でつまむとホロッと崩れるほど柔らかく、口の中ですぐにとろける。肉の旨味が凝縮されているので、ほぐしてスープに絡ませるのも良い。
麺はやはり博多ラーメンでよく使われる細麺で、豚骨スープとの相性は抜群だ。すこし食べただけで噂に相違ないことが分かった。もちろん替え玉をオーダーしたのは言うまでもない。
ふと店内を見渡すと、ほろ酔いの客たちが上機嫌で麺をすすっている。かと思えば、ときおり店主と常連客らしい男性が軽妙なやりとりを交わしている。決して今どきのラーメン店のようなスタイリッシュさはない。でも、この庶民的な雰囲気がじつに素晴らしい。
メニューには鶏ガラベースの「あっさり鶏がら中華そば」もある。次回は「あっさり」をオーダーしよう。そう心に決めて店を後にした。
Data
- メニュー
こってり背脂中華そば¥650、あっさり鶏がら中華そば¥650、替え玉¥120 - 住所
大阪市都島区東野田町3-10-4 - 最寄り駅
京橋 - 営業時間
11:00-2:00(月~土) - Map
大阪市都島区東野田町3-10-4