猪一(いのいち:京都・四条河原町)- ミシュラン掲載店のラーメンは、和の極み、至高の鶏そば


9月の京都。東南アジアの街で見かけるようなどしゃぶりの雨がふる日だった。「麺屋 猪一」初訪問。道すがら雨宿りを強いられたせいで、時計の針はすでに開店時刻の17:30を10分も過ぎている。行列覚悟で店へたどり着くと・・・、なんと!誰も並んでいない!! 天(雨)は我に味方せり。

「猪一」は、京都一の繁華街・四条河原町の近く、寺町通を南へ歩いた所にある。ほんの10年ほど前まで、“京都の秋葉原(関西なので日本橋か)”ともいうべき電気屋街だったエリアだ。でも今やかつての面影はなく、数軒の家電・PCショップが見られるのみ。代わりに2010年頃から「カオサン京都ゲストハウス」や「ナインアワーズ」といったフラッシュパッカー的な訪日旅行者をターゲットにした宿泊施設ができ、その周辺に飲食店も増えて活気が戻りはじめている。

そんな“寺町通四条下ル”の一角に「猪一」が開業したのは、2013年7月。ほどなくして行列店となった。以来ずっと口コミサイトでも高評価を維持し、さらには「ミシュランガイド京都2016」のビブグルマンにも選ばれた。ちなみにビブグルマンとは、星は付かないものの、コストパフォーマンスの高い、おすすめのレストランを指す。

メニューは、地元京都のブランド豚「京都ぽーく」のチャーシュー入りの「支那そば(黒/白)¥800」、大山地鶏の昆布〆鶏チャーシュー入りの「鶏そば(黒/白)¥900」、加えて限定でA3~A4ランクの黒毛和牛を贅沢にトッピングにした「和牛そば(黒/白)¥1,200」など。ちなみにそれぞれ、濃い口醤油をタレに使う「黒」と、白だし醤油を使う「白」が選べる。

テーブルの前には、「動物系(豚、鶏)の脂を一切使用しておりません」という貼り紙。さらに後ろを振り返ると、黒板に「本日の牛 奈良産1234・・・(数字は覚えていない)」と和牛の生産地と識別情報が掲示されている。一体どんなラーメンなのか?予備知識を入れずに来てしまったせいもあって、余計に期待が高まる。

同行の友人が豪勢に「和牛そば」をオーダーする横で、僕は悩み抜いた末に「鶏そば(白)」をオーダー。美しいお盆に乗って、目の前に現れたラーメンがこちらの写真だ。

貼り紙の宣言どおり、スープは脂がいっさい浮いておらず、美しく澄み切っている。丁寧にだしを取った鶏と、白だし醤油が織りなす、究極の和テイスト。シンプルで繊細。あまりにも普遍的に美味いスープだ。

麺はつるっとした中細ストレート。声高に主張しない存在感が、このスープによく合う。大山地鶏の昆布〆鶏チャーシューも、やわらかく美味しい。

皆が何となく想像するが実際にはこの世にないという都市伝説“京風ラーメン”を、完璧な姿として世に送り出す。そんなプロジェクトがあったとすれば、それは「猪一」のラーメンなのではないか。そう思わせる一杯だ。

こちらは和牛そば。¥1,200なり。

「今日は雨の中、ありがとうございます」と、会計時に心遣いある御礼をいただく。接客も素晴らしい。店を出ると、さっきまでの雨はウソみたいにやんでいて、もう行列ができている。清々しい気分でお店を後にした。

ちなみに「猪一」と同時にビブグルマンに選ばれた京都のラーメン店は2つある。そのうちの1つが円町の名店「山﨑麺二郎」で、やはりこちらもだしの仕込みに凝った和風のラーメンを出す。そういえばお店の雰囲気も似ている。となるとミシュラン覆面調査員の好みなのかもしれない。


Data

  • メニュー
    支那そば(白/黒): ¥800
    鶏そば(白/黒): ¥900
    和牛そば(白/黒)※限定: ¥1,200
    貝づくしそば(白/黒)※限定: ¥1,300
    麺2倍増し¥150…他
  • 住所
    京都府京都市下京区恵比須之町528 エビステラス1F
  • 最寄り駅
    河原町駅(阪急京都線)より徒歩6分
    祇園四条町駅(京阪電車)より徒歩9分
  • 営業時間
    11:30~14:00
    17:30~22:00(日曜日は21:00まで)
    *月曜日
    *臨時休業あり
  • Map
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tomo.

tomo.

I live in Kyoto. I hope to let you know about Japanese ramen. So, I intend to introduce the delicious ramen shops to you.

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